ジェルネイル

プロネイリストが語るジェルネイルのコツ・注意点は?失敗例もご紹介

今回は、プロネイリスト目線でジェルネイルの注意点やコツや失敗例について詳しくご紹介していきます。

特別にスクールに通う事なく、YouTubeなどの動画で学ぶことができるセルフネイルですが、同じ失敗を繰り返していませんか?

ジェルネイルを自分で楽しんでいる人もかなり増えてきましたが、その分トラブルが増えているのも事実です。

ほんのちょっとの失敗が思わぬ事態を招くこともあるので、注意が必要です。

それもちょっとしたコツなどで防ぐことができますし、ジェルネイルをセルフで楽しむにあたって知っていて損はありません。

プロでも起こりうる失敗などを踏まえて、注意点やコツなどをご説明していきますので、最後までゆっくりご覧くださいね。

【プロネイリスト講座】ジェルネイルって何?マニキュアとの違いは?

プロ ジェルネイル コツ 注意点 失敗例

今までにジェルネイルをしたことがない人や、これから始めようとする人はまず「ジェルネイルって何?」というところから疑問だらけですよね。

ネイルアートと言えば、マニキュア(ポリッシュ)で行う事が主流だったわけですが、最近はどのサロンでもジェルネイルのメニューがメインになりつつあります。

ジェルネイルとマニキュアの大きな違いは、

  1. ジェルは専用の溶剤で取り除く必要がある
  2. マニキュアは自然乾燥、ジェルは専用のライトに当てて硬化
  3. ジェルは強度があり、艶が持続する

などでしょうが、人によっては3週間以上もジェルネイルが定着し、マニキュアのようにいつの間にか薄くなったり剥がれたり、という事がほとんどありません。

一番の違いはやはりこの持ちの良さと、①専用の溶剤で取り除かなければいけない事でしょう。

マニキュアは、コットンなどに除光液を含ませて爪に乗せ、数秒放置してふき取るようにして落としますが、ジェルネイルはそう簡単にいきません。

この辺のコツも後程詳しくご説明するとして、まずは簡単にジェルネイルの仕組みをご紹介したいと思います。

 

ジェルネイルの仕組み

ジェルネイルは、しっかりと下準備をした爪の表面にジェル状の液体を塗り、専用のライト(UVライト・LEDライトなど)で硬めていきます。

気になるジェルネイルの成分は、ウレタン樹脂やアクリル樹脂ですが、ライトで固める為にフォトイニシエーター(光重合開始剤)というものが含まれています。

ここがマニキュアとの大きな違いで、このフォトイニシエーターの効果でプラスチックのような強度のあるジェルネイルが完成します。

フォトイニシエーターは、紫外線など特定の光に当たる事で物質を変化させることが出来る成分ですが、だからと言って太陽光や室内の電球などで完全に硬化するようにはできていません。

UVライトであれば36Wもの光をジェルを塗布した爪に当て、2分~3分かけて完全に固める事ができます。

ジェルネイルの所要時間を案内した時に、結構時間がかかるんだな、というお客様もいますが、マニキュアがある程度固まるまでに30分~1時間かかり、完全に硬化するまでに丸1日かかってしまう事を考えれば…。

ケアからアートまで、2時間ほどで完璧に終わるジェルネイルの方が早いと思えるはずです。

(セルフで行う場合にはもう少し時間がかかると思います。)

 

セルフの場合は大体どれくらい時間がかかる?

サロンでジェルネイルをオーダーした場合、アート無しでカラーだけをベタ塗りした場合、1時間半~2時間ほどで完了すると思います。

しかし、自分で利き手にも行うセルフネイルの場合は、2倍以上の時間がかかることがほとんどです。

筆者も大体3時間以上はかかりますし、ジェルネイルを勉強したてで更にアートをしようと思った場合にはつい目移りしてしまって5時間近く掛かってしまった事も!

セルフでジェルネイルをする場合、時間にゆとりがもてる時に行う事をおすすめします。

時間に急かされてしまうと、ますます思った通りにいかなくなってしまいますし、ますます失敗に近付いてしまいます。

また、やりたいアートやカラーを事前にしっかり決めておくことも時短のコツです。

 

ジェルネイルができない人もいる?

ジェルネイルは、以下の人と相性があまりよくないと言われています。

  • 水を扱う事が多い人(美容師・サーファー等)
  • 乾燥肌・汗っかきの人
  • 爪が痛んでいる人

他にも、サウナによく好んでいく人などもジェルネイルが剥がれやすいと注意をすることが多いです。

セルフネイルであっても、上記のような人もジェルネイルをすることは可能ですが、剥がれや浮きが2週間程度で起きてくる事を想定しておきと、次の交換がスムーズですね。

ジェルネイルが浮いてきて剥がれかけている状態が続くと、グリーンネイルと呼ばれるカビのようなものが発生してしまう原因になります。

サロンでは、よっぽど爪の痛みが激しかったり、爪やその周囲が病気の場合にはジェルネイルの施術をお断りすることもあります。

心当たりがある場合には、セルフでジェルネイルをするのも控えた方が良いでしょう。

 

プロネイリストが語るジェルネイルでよく見る失敗例とは

プロ ジェルネイル コツ 注意点 失敗例

それでは、よく見かけるジェルネイルの失敗例と、その解決策や失敗しない為のコツなどをご紹介していきます。

少しの失敗が大きなトラブルの原因になることもありますので、回避できるように事前に一度読んでみてくださいね。

 

①ジェルがすぐ剥がれてしまう…

ジェルネイルがすぐに剥がれてしまう大きな原因は、大きく4つです。

  1. プレパレーション(下準備)の不足
  2. ジェルを分厚く塗り過ぎている
  3. 爪が痛み過ぎている・病気の状態
  4. はみ出したジェルをそのまま固めた

特にセルフネイル場合、①・④が原因ですぐに剥がれてしまったり浮いてしまったりするようです。

かと言って、やりすぎもNGだと言われているプレパレーションですから、その見極めはなかなか難しいところではあります。

ジェルネイルは、爪表面に定着するように作られていますので、甘皮についてしまったり、サイドの皮膚にかかってしまうとそこから剥がれ、隙間を作っていき浮いてしまう原因になります。

なるべく長持ちさせるためのコツとしては、

  • 爪を湿らせないようにドライケアで下準備をする
  • 爪の先端(エッジ)部分もサンディングする
  • エタノールやプレップ材でしっかり油分・水分を除去する

この3つを徹底して意識しましょう。

 

ジェル=分厚くが正解じゃないの?

ぷっくりプルンとしたシルエットがある意味魅力でもあるジェルネイルですが、分厚く塗り過ぎてしまうとはがれやすくなってしまう事も。

一度に厚く塗ってしまうと、中の方で硬化不良を起こす事もありますし、硬化熱も心配です。

特にハードジェルを使う時には強度を出すために厚めに塗ることもあると思いますが、無駄に分厚いジェルネイルは爪に負担になってしまう事も…。

酷い場合には爪が剥離してしまうような事もあります。

ジェルネイルは厚みがありすぎても無さ過ぎてもダメなんです。

その人の爪にあった「厚み」が必ずあるので、単に厚みを出そうと考えるよりは、ハイポイントだけちょっと高くなるように意識して、均一に塗ることを心がけましょう。

 

剥がれやすい原因は他にも…

ジェルネイルを塗ろうとする爪は、油分や水分が残っていてはNGです。

サロンに行っていても持ちの悪さを感じている人は、もしかして前日の夜やサロンに行く前に、普段通りオイルやハンドクリームを使用していませんか?

乾燥もジェルネイルには大敵だと言われていますが、これからジェルを塗布しようとする爪やその周囲に油分がしっかりついていると、浮いてしまう原因になります。

サロンに行く人も、セルフネイラーの人もできれば前日の夜から、保湿を控えてみましょう。

ちょっと違いがわかるかもしれません。

ジェルネイルが完了した後は、キューティクルオイルなどでしっかり保湿をしてくださいね。

 

②うまく艶が出ない!なんで?!

トップジェルを塗ったあと、未硬化ジェルが出るものであればクリーナーやエタノールでふき取った後にガラスのような艶が出ます。

これが曇っているように感じたり、ふき取っても艶が出ない場合の対処法としては、

  • ジェルの効果時間をきっちり守っているか
  • ジェルメーカーが推奨する拭き取り材を使用しているか
  • ライトの性能が低くないか、またはUVライトの場合付け替え時ではないか

などの理由が考えられます。

ジェルのメーカーはもちろん、同じメーカーでも種類によって細かく照射時間が決まっていますので、必ず守るようにしましょう。

時間が足りなくても超えてしまっても、曇ってしまう原因になります。

また、未硬化ジェルのふき取りにはトップジェルのメーカーが推奨する商品を使い、ライトが対応しているかどうか、消耗しきっていないかなど確認してみましょう。

また、一度にたくさんの量を塗り過ぎている場合もありますので、コツとしては「薄く何度かに分けて硬化する」という事を心がけましょう。

 

硬化後いきなりムラに!ちゃんと塗ったはずなのに…

ベース、カラー、トップのどの段階でも、たまに硬化後に無かったはずのムラを見つける事があると思います。

これはジェルの構造上ある程度は仕方がない場合があって、ジェルの種類によっては塗布した状態から縮む事があるからです。

また、先ほども出てきたフォトイニシエーターが硬化させる成分だと紹介しましたが、これがまんべんなく行き渡っていないと、部分的に硬化しない恐れがあります。

特にカラージェルの場合、成分や顔料がコンテナ内に沈殿しやすいので、よく撹拌して成分のムラをまず作らないように気を付けましょう。

 

③オフするたびに自爪が痛んでいるような…

ジェルネイル自体は、正しい使い方をすれば爪自体に負担をかけるような事はほとんどありません。

では、「ジェルネイルを繰り返したら爪が薄くなった、表面が傷んだ」という人の原因は何かと言うと、そのほとんどがオフの仕方に問題がある場合が多いです。

セルフジェルネイルの場合、爪の表面をサンディングして塗ることが多いと思います。

この時点である程度傷が入っているのに、オフの時に無理に剥がしたり取ろうとすると、必要以上に爪を傷つけてしまうことになります。

オフするときのコツとしては、

  • ジェルはカラーまでなるべく均一に削る
  • アセトンを含んだコットンをアルミホイル等でしっかり密閉する
  • 10~15分経過したらウッドスティックなどで優しく剥がしていく
  • 無理に削ったり剥がそうとせず、取れないところはまたアルミホイルで巻いておく

とにかく無理やり取ろうとしない事です。アセトンで爪自体も柔らかくなっていると想定してみましょう。

また、オフで使ったアセトンは非常に強い成分を含んでいますので、ジェルネイルのやり直しが終わったら必ず石鹸やハンドソープで手を洗ってくださいね。

肌荒れ予防にもなりますよ。

 

オフするのが怖い…面倒…

サロンに来るお客様の中にも、オフするのが面倒で自分でむしってしまったり剥がそうとする方がいます。

これは、ジェルと一緒に爪の表層部もはがれてしまう事がほとんどですし、本当に危険なんです!

もし、セルフジェルは興味があるけど、オフができるか不安だと感じる人は、爪のサンディングも不要でシールのようにペロッと剥がせる「ピールオフタイプ」を購入してください。

持ち自体はマニキュアと変わらないようですが、手軽に剥がせる事やジェルのような光沢がメリットです。

使用方法はメーカーによって違いますし、長持ちする!と評判の高いものもありますが、トラブル防止のために1週間~2週間程度でお直ししましょう。

 

まとめ

プロ ジェルネイル コツ 注意点 失敗例

今回は、ジェルネイルの失敗例を参考に、プロネイリスト目線でコツや注意点をお伝えしてみましたが、いかがでしたか?

ジェルネイルと一口に言っても、メーカーや種類によって施術方法は様々ですし、最近では大手百均メーカーも参入してきたりして、正直私たちネイリストでも全てを把握しきれていません。

しかし、なるべく負担をかけない・傷めないなど、爪の健康のためにご案内できるように学んできた事は共通ですから、少しでもお伝えできるといいな、という思いでまとめてみました。

ジェルネイルは正しく使えば爪の補強になったり、深爪対策になったりと嬉しい効果も期待できます。

マニキュアと違って、短時間で完璧に乾く(固まる)のもすごく魅力的ですよね。

手軽に始められるキットの販売も多いですし、ある程度のリスクを理解した上で、正しい方法で楽しく使用していきましょう!